南北首脳会談により、朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争の終戦が宣言された平壌宣言。
まさに歴史的な宣言ですが、各国の意図は様々です。
見たとおりの内容かというとそうは言い切れないのが、この二国間のこれまでの言動から、そう思われるからでしょうか?
さて、特に朝鮮戦争の終戦は日本国内ではあまり注目度が高くないのですが、非常に重要な意味を持つそうです。
○在韓米軍の撤退
・国連軍=アメリカ軍が駐留する理由の喪失
朝鮮戦争の終戦により、国連軍、つまりアメリカ軍が韓国に駐留する理由がなくなります。
そして、これは日本にアメリカ軍が駐留する理由も薄れてくることを意味します。
日米安保条約がありますから、意義としては残っていますが、目の前の大きな脅威がなくなったわけですから、日本にも大きな意味を持っていると思います。
・韓国内の反米感情
私自身はよく知らなかったのですが、韓国内には根強い反米感情があるそうです。
それはもともと北朝鮮による世論工作によるものが大きいのですが、これにより、より在韓米軍の撤退の可能性が高くなってしまいます。
これはそのまま日本にも当てはまります。左翼の先導により、日本にも反米感情があるのはよく知られたことです。
・アメリカ側の理由
アメリカ側としても、反米感情にプラスして、経済的負担が大きい米軍の駐留を必要性があっても、大きな声で主張できなくなっているの現状のようです。
これは日本にも当てはまります。日本に駐留の負担をもっとするように迫ってくるのではないでしょうか?
たとえ、中国が東シナ海で覇権を握ろうとしても、どこまでアメリカが出てくるのか分かりません。
それほどまでに米軍の駐留の負担が大きいわけです。
○拉致被害者の解放
・日本が敵対国でなくなる
日本は朝鮮戦争には参加していませんので、北朝鮮の敵対国ではないのですが、敵対するアメリカを支援する国家として敵対視されています。
しかし、朝鮮戦争の終戦により日本は敵対国でなくなります。
これは、拉致被害者の解放に対する障害をかなり大きく取り除くようです。
・北朝鮮の面目を立てる
拉致を国家的犯罪として断罪されるのは、北朝鮮にとっては非常に避けたいことでしょうから、これを戦争の一環としての行為と世界に信じ込ませたいのが、北朝鮮の狙いです。
そう考えると、その北朝鮮の策にのって、北朝鮮の面目を立てる方策をとるならば、拉致被害者の解放は現実味を帯びてくることでしょう。
・韓国の拉致被害者の解放は要求されていない
文大統領は、金正恩氏に韓国の拉致被害者の解放については訴えていないそうです。
これは、脱北者の中には韓国に半ば強引に脱北させられたものも少なからずいるためだからのようです。
韓国側が拉致被害者の解放を求めた場合、北朝鮮側もそれ相応に脱北者の解放・返還を要求されるからということのようです。
これに対して、日本人の拉致被害者の要求はされているため、日本人に対してはその解放の可能性が高いといえるようです。
○南北が日本に対し共闘?
・慰安婦や徴用労働者で共闘
しかし、朝鮮戦争の終戦がもたらすのは、これだけではありません。
やっかいなことに、慰安婦や徴用労働者で南北が共闘してくることが考えられます。
韓国に対しては「日韓請求権」並びに「経済協力協定」(1965年)によって解決されています。しかし、その後いろいろとすったもんだしておりますが・・。
一方、北朝鮮においては何もされていません。
そこで、ここは南北そろって、きちんと清算しませんかとなる可能性があるということです。
・韓国の蒸し返し
韓国側もこの問題で、蒸し返したい国内事情がありますから、今は強気に出ませんが、北朝鮮となら、強気に日本に迫ってくることも予想できます。
これは過去をみればわかります。
・トランプ大統領の思惑
そして、最後にトランプ大統領の思惑もあります。
中間選挙を控え、とにかく、実績を残しておきたいトランプさん。
実績になりそうな可能性の高いものには、できるだけ関与して、私の実績だと誇りたい思惑があります。
そう考えると、ここにきていろいろと絡んでくるトランプさんをみると以上のことはそれなりに実現される可能性は高いことでしょう。
今後日本はどう切り抜けるのかわかりませんが、中国の台頭を念頭に対処していくしかないように思われます。